こんにちは
Roxanneオーナーの藤原です
革靴が好きすぎて、お店の規模に対して革靴を異常に取り扱うアパレルショップを営んでいます(採算は全く取れていないので普通にアホです)
ありがたいことに、最近「革靴を初めて購入するんですけど、一足目はどんな靴を選んだら良いですか?」というお声をよくいただきます
革靴で悩んでいる方って多いんだなーと思うと同時に、この高度な情報化社会では選択肢が増えすぎて、慣れていない方は悩むなと感じたので、「俺、革靴とかよく分からんねん。とりあえずこれ買っとけばええでってやつ教えてや。カッコよくて万能に使えるやつで頼むで」という方のためにキーボードを叩くことにしました
結論から言います。forme-フォルメ-のfm -100 plain toe shoes(Roxanne 別注)を買うことをお勧めします
いきなりウチのお店の商品ですいません
まあ、この靴は冠婚葬祭から私服まで万能に使えて、値段も普通に手の届く範囲で、作りがちゃんとした(ここマジで重要です。外側だけよく見せて中身手を抜いている靴が多いので)靴が欲しいなと思ってformeの小島さんに別注をしていただいた靴なので、掛け値なしでお勧めできます
この靴の何が良いのか
主に以下の4点です
- フォーマルからカジュアルなシーンまで品よく履ける
- 革の質が素晴らしい
- 作りが凄く手が込んでいる
- コスパが異常に良い
1つずつ解説していきます
1.フォーマルからカジュアルなシーンまで品よく履ける
フォーマルなシーンでは内羽根が〜とよく言いますが、別に外羽根でも良いです。何故なのかの詳細は長くなるので省きます
結婚式や葬式、街を歩くスーツ姿の人を見ると、ほとんどの人が履いている靴は適当です。よく分かんない安っぽい革靴や、やけにトンガっている靴を履いている方が多いです。そんな中に、この靴が一足紛れていると、群を抜いて格好良く見えます。あと、安っぽい2万円くらいの黒のストレートチップを履くよりはこの靴を履く方が高級感が出て、結果的に品がよく見えます。
カッチリとしたマナーに厳しい紳士たちが集まる場所なら内羽根の方がいいですが、そんなところに革靴初心者が行くことはまずないので、考えなくて大丈夫です
ビジネスシューズ専門の靴は、私服では合わせづらいです。ジャケパンスタイルなら良いですけど、カジュアルな服には合わせづらいですね
この靴のいいところは、ジーンズやチノパンなどのカジュアルな服にも合うし、ジャケパンやスーツスタイルにも合う事です。それができるのは、この靴の、カジュアルすぎず、クラシカルすぎない程よいバランスのデザインと、クラシックに合わせる事ができるように変更した別注仕様の2点のお陰だと思います
コーデがグッと引き締まります
着用している服はこちらです
フォーマルなスーツと合わせるとこんな感じです
最もクラシックにするなら内羽根の黒のストレートチップが良いですが、大抵の場所はこれで十分です
別注内容と靴のカタログスペックについてはこちらの記事でまとめているのでご参照ください
2.革の質が素晴らしい
formeは使用している革の質が素晴らしいです
牛革には大きく分けて3つの等級があります
- ステア-生後2年以上の成牛
- キップ-生後6ヶ月〜2年以内の牛
- カーフ-生後6ヶ月以内の子牛
私が今推奨しているformeの靴ではカーフレザーを使用しています
僕が思う、formeのこの靴の革の良いところは、モチっとした仔牛の質感とキメ細やかな革質です。このキメの細かさが光沢に影響し、パッと見た時の高級感を左右するので重要なポイントです
ここで1つ、靴オタク兼アパレルに携わる者として伝えておきたい事は
カーフレザーだから良い。と言っているわけではないということです
服でもそうですが、この生地を使っているからこの服は良い、この革を使っているからこの靴や鞄は良い。そういうことではないんです
重要なものは思想です。この生地や革を使って何を表現したいか。作り手の思考のプロセスが重要であり、生地や革は表現をするための媒介です。なので、素材の質だけに囚われないようにしましょう。木をみて森を見ずは選択の幅が狭まるので勿体無いです。素材の良し悪しの知識を理解した上で、プロダクトの意図を汲めるようになると楽しいです
すみません、話が大きく逸れましたが本題に戻ります
formeの靴に使用している革で僕が一番伝えたいことは、インソールに使われているレザーの質です
アッパー(靴の外側)に使われている革は拘っているけど、内装の革までちゃんと拘っているブランドって本当に少ないんです
formeの革靴のインソールに使われているヌメ革は手触りが非常に良く、素足で履いていても凄く気持ちがいいです。革靴を全く履かない父にプレゼントした時も「こんなに履いていて気持ちのいい靴は初めてだ」と言っていました
新品の時の状態もいいのですが、履きこむにつれてインソールのヌメ革が飴色へと変化していきます。その風合いと触り心地がとても良いので是非体感してみていただきたいです
3.作りが凄く手が込んでいる
formeの革靴は作りがものすごく手が込んでいます
fm-100 plain toe derbyの製法は、グッドイヤーウェルトです
グッドイヤーウェルトの詳細について以前記したので、こちらを参照してください
formeの靴では吊り込みを全て手吊り込みで行っています
普通は吊り込みは全て機械で行なっているところが多いのですが、formeでは全て手作業で吊り込んでいます
手での吊り込みは機械に比べてかなり時間がかかるのですが、手作業で行うことによって、革の個体事の雰囲気を見極めながら、テンションのかけ具合を調整することが出来るそうです
こういう手間がかかった生産背景を特に売りにしていない点が、個人的にものすごく好きです
生産において手作業の工程が多いことと、ブランド自体がパラブーツやJ.M .Westonと等と比較すると小さいブランドであり、大量生産できる靴ではないので、ビームスなどの大手セレクトショップからの取り扱いの打診はお断りしているそうです。なので、購入できる店舗は限られています
隠れた名品って感じが良いですよね。あと、人と被ることが少ないのが良いいなと思います
あと、formeの靴は日本人の足に合わせて木型を作っているので、フィッティングが物凄くいいです
僕は昔、超天邪鬼の冷笑系男子だったので、「日本人の足に合わせた木型と言っても、足の形なんて人によって千差万別なんだから一概に言えねーだろ、虚構情報乙w」とか思っていましたが、formeの靴に出会ってからその考えが180度変わりました。履いていて凄く気持ちがいいですね
4.コスパが異常に良い
僕はあまりコスパという言葉が好きではないのですが、formeの靴はコストパフォーマンスがとても優れています
この靴が66,000円+税で購入できるのは凄く安いですね
あと、この靴は変な履き方をしなければ誇張なしで一生履けます
グッドイヤーウェルトの靴なので、何度でも修理が出来ます
週に2〜3日ほど履いて7年くらいしたら2.5万円くらいでオールソールをすると生涯履けると思います。デザインも普遍的で流行にとらわれない物ですからね
フォーマルからカジュアルまで、シーンを選ばずに着用できると思います
7万円する靴というと、馴染みのない方からすると「いや、たけーよ!!」と思うかもしれませんが、こういう良い靴は一足は絶対に持っておいた方がいいです。これくらいのいい靴を履いていると、服がある程度チープな物でも全体の品が良く見えるので、自己投資だと思って一足はいい靴を持つことをおすすめします
サイズの選び方
formeの靴のサイズ表記は、5なら実寸値が25cm向けの方です。6なら26cmの方向けです
これはWidth(足の横幅)を考慮していない、ざっくりとした指標なので、「大体これくらい」程度で認識してください
ただ、大抵の方はこの数値で大丈夫です
私甲高だから〜という方も基本これでいいフィッティングをしていました
フィッティングはキツすぎず、緩すぎず、踵とポールジョイントでいい感じにホールドされているくらいを推奨しています
僕は実寸値が左右ともに280mm、Widthが100mmでサイズ8を履いています
実寸値、よく分かんないぜ!!という方はrendoさんのnoteを参考に測ってみてください
最後に、私の営んでいるセレクトショップ「Roxanne」の宣伝をさせてください
Roxanneはアパレルブランド「SHINYA」の岡山店兼セレクトショップという立ち位置で運営しています
SHINYAは南青山に本店があり、卸売をしない直売のみのスタイルと高品質でトレンドに左右されない服が比較的安く購入できる事が特徴なブランドです
ざっくり言うと、「超高品質でオシャレな服がコスパよく買える服」です
あまり好きな表現ではないですが、端的に表すとこんな感じです
SHINYAがまだ駆け出しの時に出会い、吊るされている服の品質と値段のバランス、デザインに感動し、「これだけの服を市場に埋もれさせたくない。自分の住んでいる岡山でこの服を広めたい」と思い、出会ってから1年ほどした後に、岡山でSHINYAを取り扱うお店を開きたいと交渉し、快諾していただいたのがお店を開いたきっかけです。
Roxanneのコンセプトは、プロダクトとしての「本質」と「ファッション」両面を提供するお店です
これは私の主観ですが、「品質」を求める方は生地などのスペックを重視しすぎ、服装におけるファッション性を軽視しており、ファッションが好きな方は素材などの品質にあまり興味がない傾向にあると感じます
これはどちらも勿体無いです。品質とファッションの両面を届けることが出来る、「モード」と「トラッド」この2つが融合したお店を作りたいと思い、Roxanneを作りました
私1人で運営しているお店なので、色々と拙い面はありますが、興味を持っていただけたら是非Instagramをフォローしていただけると嬉しいです
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