これまでに他の革靴の製法も紹介してきましたが
今回は、昔ながらの手作業による製法
”ハンドソーンウェルテッド製法”
についてご紹介します。
ハンドソーンウェルテッド製法とは
![](https://roxanne00.com/wp-content/uploads/2023/10/2023-10-18-10.59.31-1024x681.jpg)
ウェルテッド製法の原型であり、昔ながらの手作業による製法
”ハンドソーンウェルテッド”製法ですが
グッドイヤーウェルテッド製法のミシンが開発され
機械化が進み大量生産されることで、生産数は減少しました。
しかし、近年は履き心地の良さなどからその価値が見直されるようになり
完成までの長い時間と技術の高さから貴重さ、価値が益々高くなっています。
グッドイヤーはハンドソーンを機械化したものなので
基本的な作りは似ています。
![](https://roxanne00.com/wp-content/uploads/2023/09/51705-300x169.jpg)
違う点は、”リブの作り”と”インソールの厚さ”です。
リブの作り
グッドイヤーは布製のリブテープを接着
ハンドソーンは中底をドブで掘り起こし(中底を削り)リブを作成
グッドイヤーのリブは機械の都合上高く硬くなってしまいますが
ハンドソーンでは自然な形で作成でき、リブによる返りが少なく足への負担も少ないです
インソールの厚さ
グッドイヤーは詰める中物が多いためインソールが薄く作られます
逆にハンドソーンは中物が薄くインソールが厚めに作られます
その為、グッドイヤーは中物が足の形に形成し
ハンドソーンはインソールが足の形を形成します。
オールソール(靴底を新しいものに交換)の際
中物に足の形が形成されていた場合は、中物が沈んでないので履き心地が全く違いますが
インソールに形成されていた場合は、履き心地が変わる事なく着用できます。
機械と手作業どちらも出来る事、出来ない事があるのでどちらの方が良いは
その人次第ですが、履き心地に関してはハンドソーンの方が上だと思います。
ハンドソーンウェルテッド製法の特徴
![](https://roxanne00.com/wp-content/uploads/2023/10/2023-10-18-11.00.07-1024x680.jpg)
・返りが良い
上記でも説明したリブは中底を削っているので
直接、中底に縫いつける様になります。
なので、そこの返りがよく、足に馴染みやすくなっています。
・履き始めも柔らかい
リブの関係でグッドイヤーより中物(コルク等)を薄く作成できます。
なので、経年変化による中物の浮き沈みが少なく始めからジャストサイズで着用でき
履き始めから柔らかい足あたりを実感できます。
・耐久性が高い
リブテープではなく、アッパーやウェルトなどがしっかり縫い付けられているので
耐久性も高く、修理も可能な作りになっています。
地面から靴内部に水が入り込むこともないので、他の革靴に比べ耐水性もあります。
・価格が高い
ハンドソーンは全て手作業なので、工場などで大量生産できる物ではないです。
手作業による時間、高い技術などが加わりどうしても価格は高くなってしまいます。
しかし、オールソール時も履き心地が変わらず、長く履く事ができるので
その点を考慮すれば高すぎる物ではないと思います。
当店ではハンドソーンウェルテッド製法の革靴の取り扱いもあるので
是非サイトをご覧ください。
実店舗
Roxanne
岡山県倉敷市玉島2-9-33
予約制で営業しております
コメント